静まり返った未明をうちやぶる声。
「ジィ〜 ジ ジ」
今夏初啼きの夜蝉かと。
地上に出たての不慣れな声がかえって、
短き命を燃やしつくさんと言う響きとなり
我が心を揺さぶる。
「うかうかと寝ている場合ではないぞ。
あとわずか あとわずか
間に合ったか?」
と夜蝉より尋ねられ、
「平生業成。」
お念仏の声を聞く。