ご法事を敬遠される理由の一つに
「正座」があげられます。
茶道・武道・仏事など、古くから伝わる
作法に於いて避けて通る事の出来ない
姿勢ですが、現代の生活様式では
非日常的な姿勢であることも否めません。
ご法事の読経中、後方の方から漏れ聞こえる
「うっ」という、ため息(うめき?)。
皆様に苦行を強いているようで、こちらまで
つらい気持ちになってきます。
(お経や話を端折るわけにもいけませんし・・・。)
なぜ正座なのか?
単純明瞭。
日本での正座は、畳文化の産物ともいえますが、
お敬いを表す姿勢として確立されてまいりました。
・身を屈する(大いなるものに対し身を小さくする)
・敵対心がない=受容
(お侍さんが相手に刀を向け辛い)
その根底に「お敬いの心」があることは、
忘れてはならないことです。
ただし、
お寺の本堂も
椅子を使用することが
多くなってきました。
だって、せっかくの大切な時間を
お過ごしいただくはずが
心の中で「早く終われ!」
と叫んでいたら本末転倒ですもの。
畳席の時は、無理強いはしませんが(我慢は別です)
せめて最初と最後ぐらいは正座して下さること。
足を崩す場合、仏さまに対して足を向けないことを
ご留意下さいませ。
(ご無理は、なさらぬようお願いいたします。)
身体の不調で正座が出来ない時は、別として
「まず形から」という言葉通り、
身を正して事に望む時、
大切なお心を頂戴することに繋がって下さいます。